へら竿のグリップ(握り)は、竿自体の印象を決定付ける大きな要素であるとともに、「道具」としての性能に多大な影響を及ぼす重要なパーツの1つ。優れたグリップは、全体的な使いやすさはもちろん、振込み精度や取り込み成功率など、竿として必要とされる様々な性能を底上げしてくれます。今回は、多くのベテランやエキスパートをはじめ、トーナメンターも採用している「竿自体の性能を大きくアップさせるグリップの交換と修理の方法」を各シーンごとに、わかりやすく画像多めでご紹介します。
今回の実験台はシマノの朱紋峰「飛造り」。かなり古い竿で、お世辞にも軽いとは言えませんが、胴に入るパワフルな調子はチョーチンや底釣りにうってつけのスペックになっています。純正のグリップは酷使と劣化によって非常にすべりやすく、コントロール性は最悪です。
Contents
用意するもの
・熱収縮性ラバーグリップ
・携帯コンロまたはガスバーナーなど
・カッターナイフ
・ハサミ
・紙ヤスリ(布ヤスリでもOK)
今回は、こちらのラバーグリップを使用。釣竿のみならず様々なシーンで高い使用率を誇る背景には多くの実績と確かな性能が宿っています。
手順① 基礎の部分を軽くヤスリ掛けをする
まずは基礎部分の凹凸を無くし、グリップの密着性を向上させるために軽くヤスリ掛けをして土台をならします。(今回は240番の粗目を筆頭に600番、1000番の布ヤスリを使用。)こびりついた汚れなどを除去し、基礎部分の凹凸を無くす役割もあわせ持つヤスリ掛けの作業は、ていねいにやればやるほど、最終的な完成度が上がります。(こだわりたい方はここでグリップの太さや形を調整してもOKです。)
手順② グリップ部分の洗浄
土台部分のならしが終了したら、中性洗剤などを使ってグリップ部分を洗浄します。こちらの作業もヤスリ掛け同様、最終的な仕上がりを左右する大切な作業です。時間をかけてていねいに行いましょう。
手順③ 熱収縮性ラバーグリップを基礎部分にかぶせる
十分に水分を飛ばしたら、だいたいの大きさにカットしたラバーグリップを基礎部分に通します。ラバーグリップは横方向だけでなく縦方向にも収縮するので、長めにカットする必要があります。
手順④ ゆっくりとあぶって収縮させる
固定したい位置を決めたら、端から少しずつ熱を加えて収縮させていきます。一気に熱を加えるとガッチリ固定されて微調整が難しくなるので、焦らずゆっくりがポイントです。
手順⑤ 余分なグリップ部分をカットして全体的なバランスを取る
ある程度グリップの仮固定が終わったら、グリップの向きや長さを最終調整して整えます。
手順⑥ 最後にもう一度しっかりとあぶってラバーを完全に収縮させたら完成!
最後にグリップ部分へもう一度しっかりと熱を加えて完全収縮させたら完成!グリップが竿と一体化していると感じられるほど固定されていれば完璧です!
へら竿のグリップ【握り】の交換と修理の方法 さいごに・・・
いかがでしたでしょうか?
握り部分のラバーグリップ化は直ぐに出来てかんたんですが、その効果は非常に優秀。長時間使用での疲労感軽減や冒頭で触れた操作性の向上はイメージしている以上であり、私自身もほとんどの竿にラバーグリップを装着しています。気に入らなければ取り外しも即可能でコストパフォーマンスも文句なし。デメリットはほぼありません。ぜひ一度ラバーグリップの威力を皆さんの手で確かめてみてください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。